CEDECを終えてから、テクニカルアーティスト(以下TA)*1について色々考えました。その結果、ゲーム会社にはTAが必須の職種だと思うようになってます。
CEDECに行く前は、各デザインチーム内でテクニカルな事もまかなうのが良いんじゃないかな?と漠然と思ってたのですが、たぶん間違ってます。しかも、体制が整っていない会社は、かなり早急に整備をする必要がありますよ!って言いたいくらい、TAがいないと、今後の開発が大変なんじゃないかと懸念しています。
それはなぜか。理由としては大きく2点です。
- ゲームの製作技術が高度化していて、デザイナだけ、プログラマだけで完結しない仕事が増えてきている。
- プロジェクトには、必ずTAを必要とする業務があるが、肩書きが明確でないと、業務の割り振りも不明瞭になる。
会社の規模によって、TAをR&Dなどの専門部署に集めるのか。それとも、プロジェクト付きにした方が良いのかは、変わってくると思いますが、確実に1つ言えるのは、プロジェクトが走っていく中で、TAが担うべき業務(Rigを組んだり、ツールを作ったり)は少なからずありますし、そこに関してはキッチリ認識していたほうが良いって事です。
例を上げると、1体のキャラクターを作成する時、いくつかの作業に分類できると思います。
-
- モデル作成
- マテリアル設定
- テクスチャ作成・貼り付け
- スキニング(ボーンの仕込み・ウェイト付け)
- モデルのエクスポート
- Rig作成
- モーション作成(たくさん)
- モーションのエクスポート
ひとまず、これで1体のキャラクターが出来るわけです。この中で現状の多くの会社は作業が下記のように分かれていると思います。
- アニメーター
- Rig作成
- モーション作成(たくさん)
- プログラマ
- モデルのエクスポート
- モーションのエクスポート
上記の作業の中で、モデルを作るとか、エクスポーターでデータを吐き出す仕組みを作るとかっていうのは、はっきり「モデラー」とか「プログラマー」とかわかるんですが、Rig作成とか、各種作業の効率を上げる便利スクリプト・便利ツール作成となってくると、非常にグレーなゾーンに入ってきます。
というのも、Rigにしても便利スクリプトにしても、プログラミングの知識が必須なので、アーティストの素養を持っているだけでは作成が出来ない。ではプログラムの素養があるプログラマには作れるか?これもまた困難で、上記の作業は基本DCCツール上で作られるものなので、DCCツールの仕組みを知っておかなければならないし、アーティストが作業する時に、どういう機能があれば効率が上がるかが分かりにくい。
そこで、アーティストの作業フローも分かりつつ、DCCツールの事も知っている。そこにプラスして、プログラマの知識も持っている。そういう人が、アーティストとプログラマ、両者の架け橋となるテクニカルアーティストと呼ばれるのではないか。
現在の開発ではこの辺が曖昧で、お互いがなんとなく「俺のやるところかな?」と思って作業している。そんな状況が理解できました。
ただ、なんとなく現在の開発現場の問題点はわかったのですが、さて、この問題どう解決したものか?それがあんまりわかってません。なので、どう解決するかは、また閃いた時に書きます。ではでは!