フェイシャル作業に有用だと思った本・3冊
キャラのフェイシャル*1に携わって3年くらいが経ちました。
今まで顔についての資料を色々買い集めてましたが、最近は結局3冊くらいしか見る事がなくなってきてます。たぶん、フェイシャルに関わった人は、最終的に辿り着く本だと思いますが、その本を紹介してみたいと思います。
- 作者: ゲーリー・フェイジン,Gary Faigin,みつじまちこ
- 出版社/メーカー: マール社
- 発売日: 2005/09/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 20人 クリック: 171回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
フェイシャル作業オススメ度 | ★★★★★ |
顔の基礎知識を叩き込んでくれる、最良の本です。会社用と家用で、2冊持っていますwww
骨格・筋肉の配置などの基本的な知識から、感情による表情筋の動き方・口の開き方などの実用的な知識。また男性と女性の額の傾き角度の違い・白目と黒目の形状による、見た目から受ける感情の違いなどの、目からウロコなTipsまで、顔に関する情報はかなり高密度で詰まっています。
この本を、スケッチしながら読んでいくと、今まで曖昧にしていた顔の知識が、しっかりしてきて楽しいです。あとは、これを読んだ後だと、一発でポリゴンの割りのまずさが見抜けるようになったりします。「そこ皺でない!」とか。
Facial Expressions: A Visual Reference for Artists
- 作者: Mark Simon
- 出版社/メーカー: Watson-Guptill
- 発売日: 2005/06/01
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 4人 クリック: 41回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
フェイシャル作業オススメ度 | ★★★★☆ |
色々な人種・年齢・性別の人間の、感情豊かな表情を多数収録している本です。
担当しているキャラで「このキャラは、悲しい時どんな顔するんやろ?」とか悩んでる時にパラパラめくってると、「これや!」とひらめく事があったりします。あと「Aというキャラは、この白人のおっさんの表情のクセを参考にしよう」みたいに、脳みそ空っぽの時に重宝アイデアの源泉になってくれたりしています。また、巻末に収録されている、各子音を発音する時の口の形状なども参考になります。
Facial Expressions Babies to Teens: A Visual Reference for Artists
- 作者: Mark Simon
- 出版社/メーカー: Watson-Guptill
- 発売日: 2008/06/10
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
フェイシャル作業オススメ度 | ★★★☆☆ |
この本は2つ目に紹介した本の子供版です。
収録されているのは、0歳〜18歳くらいの、これまた色々な人種・性別の人間です。2冊目に紹介した本は、だいたい20代前半〜60歳オーバーを対象にしているので、2冊あると全年齢をカバーした表情集となります。この本の巻末にある、1人の人間の、赤ちゃん時代から40歳前後までの写真を並べたページは一見の価値があります。ホウレイ線が強調されてくるのは何歳くらいか、肉のハリがなくなってくるのは、何歳からなのか?など、製作しているキャラの顔の情報量を決める時にも役立ちます。残念ながら、アジア人が載っていないので、日本人が主人公のようなゲームには適用しにくい場合もありますが…。あと、子供のキャラの表情をつける事が少ないので、★3としていますが、子供の表情をたくさんつけるなら、必須となる本かもしれません。
本の資料は以上ですが、他にもyoutubeで、ニュースの映像や、アーティストのプロモーションムービー*2などを観ながら、発音のニュアンスを掴む事もあります。ただ「怒ってる女性の顔ってどんなやろ?」「悲しい時の子供の眉毛、どんな角度やろ?」と思った時の検索しやすいのは、やはり書籍に軍配が上がります。
もちろん、上記よりも良い本がまだまだこの世にはあると思いますので、最近もたまぁにフェイシャルの本を買ってたりします。なので、また面白い本を見つけたら、紹介していきます〜。
*1:セットアップ・Rig・アニメーションをやってたりします。ただ、他の事と並列でやってますので、専門って感じではないですが。
*2:CEDEC2008でSQUARE ENIXさんのセッションで言ってたので、真似してます。