「CHARACTER DESIGN AND MODELING FOR NEXT-GEN GAMES」観てみた感想

先日、紹介した次世代ゲームキャラクターの、作り方ビデオを購入してみました

さすがに「会社に買ってもらったビデオで、レビューです〜。」とかはマズいかと思ったので、自腹で買ってみました。うぅぅ…。

内容的には、DCCツールから高解像度モデルの作成までを紹介しており、ゲーム中のキャラクターモデルに必要なデータ作成の方法を全て教えてくれるモノではありませんでした。(前回の記事で懸念していた、ノーマルマップの作成は行っていません…ショック。)

なので、ビデオの内容を端的に説明すると「スケッチから、SoftimageとZbrushを使って、高解像度モデルを作るチュートリアルビデオ」という感じになると思います。以下、簡単におススメ度を書いてみましたので、参考程度にご覧ください。

ターゲット おススメ度
次世代ゲームキャラクターの作り方を覚えたい方 ★★★☆☆
手っ取り早く高解像度モデルの作り方を覚えたい方 ★★★★★

ビデオのタイトルからすると「次世代ゲームキャラクターの作り方を覚えたい方」に[★★★★★]というのを期待してたんですが、少し残念です。それでも購入を検討している方に、各チャプターの簡単なレビューをまとめてみました。

Character Design and Modeling for Next-Gen Games

価格:$69.00
形態:DVDの郵送 or データ(ムービー・サンプル)のWEBからのダウンロード

TOPICS

00: Introduction
01: Tools and Features
02: Concept Modeling
03: Concept Art
04: Hard Surface Modeling
05: Organic Sculpting
06: Final Details

BONUSDATA:高解像度モデルデータ

00. Introduction(1分)

チュートリアルを解説してくれる3D ArtistのVitaly Bulgarovさんが登場し、挨拶します。
「ハーイ!今日は俺のモデリングマジックを紹介するゼ!!」「このディービーディー(DVD)見終わった後にはグレートなモデルが作れるようになるから、瞬きすんなYO!」的な事を言っています。
見なくても良いチャプターですが、1分くらいですし「ビデオの解説、この人がやってくれるんや〜」ってのが分かるので、見ても良いかもしれません。

01. Tools and Features.(14分)

チャプター1は、Softiamgeの基本機能を紹介します。これを見ただけでSoftimageでのモデリングに使用する、必要な機能全てが網羅出来るくらい、丁寧に紹介してくれます。

サブディビジョンのやり方から、レイキャスト選択オプションの使い方(シェード画面で見えてる点だけ選択する or 見えていない裏面の頂点も選択する)、画面レイアウトのカスタマイズの仕方、べベル、選択の拡張・縮小。エッジループの選択の仕方。サブディビジョンサーフェイス。コンポーネントツールの使い方など、一通り網羅してくれます。ポリゴンモデリングする際の機能はここで網羅されますので、モデラーの方が「明日からSoftimageに乗り換える事になってもうたぁ…」という場合でも、ココだけ見れば大体の操作が分かります。

2. Concept Modeling.(27分)

チャプター2では、Softimageを使ってコンセプトモデリングの作成を行います。コンセプトモデリングは大まかに形状のアタリだけを取ったモデルで、シルエットの確認や、2Dから3Dに起こした時の破綻のチェックに使います。ゲーム制作では、この段階のモデルを実際にゲームに出力する低解像度モデルとして使用したりしますが、今回のチュートリアルで作ったものは、ただの作業途中のラフモデルという印象です。

3. Concept Art.(20分)

チャプター2で作ったコンセプトモデルをSSで撮影し、Photoshopに読み込んで、レタッチしていきます。細部のディティールをどうするか、色をどうするかなどを詰めていき、最終的にコンセプトアートを作るまでの流れが見れます。ここはテクニカルな要素は特に無く、淡々とレタッチしていきます。

この工程は、実際のモデル制作でも良くやる作業。3Dいじってイメージ固めるのに時間がかかるので、2Dで細部を描いて、頭の中のイメージを固めていく。そんな感じ。

4. Hard Surface Modeling.(53分)

チャプター3で、頭の中の細部のイメージを固めたら、3Dモデリングに戻ります。

ここでは、無機的なアーマー部分のモデルをSoftimageのみで詰めていきます。動画の内容は、黙々とポリゴンを割っていき、詳細な形状にしていきますが、チャプター1で紹介していた、ポリゴンモデリングの機能を実践的に活用する様子が確認できるので「こういう形状の時はべべリング」とか、「ここはエッジループで選択して、スケールで縮小」とか、なかなか面白い内容です。そういえば、他人のモデリング作業を一時間じっくり見る事ってあんまりありませんね。色々発見がありました。

5. Organic Sculpting.(20分)

アーマー部分が完成したら、次に有機的な肉体部分を詰めていきます。まずは2で作ったコンセプトモデルをSoftimage上で、もう少し詳細に割っていき、その後、モデルをobj形式でエクスポートして、ZBrushに読み込みます。Zbrushにはチャプター4で作成した、アーマー部分も読み込んでアタリとして使用します。

この段階も黙々と作業しています。しかもZbrushは使う機能が少ないので、本当に黙々作業です…。

6. Final Details.(9分)

チャプター4,5で出来たモデルでもかなり詳細なものとなっていますが、最後にシルエットの調整・ディティール(シミ・錆・ゆがみ・傷)の追加などを行い完成となります。このビデオにはココで完成したモデルがボーナスとして、Zbrushデータ(.ZTL)がついてきますが、このモデルの高精細さ加減が凄すぎて、鼻血が出そうです。下の画像がSSです。ブビッ!

ボーナスデータ

Gears of Warとかもこれくらいまでディティール詰めてるんでしょうね。これ見れただけでも買って良かったかもです。スゲェー。

という感じでビデオをレビューしました。個人的な実感としては$69.00っていう価格設定はちょっとお高い感じがしましたが、会社に買ってもらうなら、全然OKじゃないかなと思います。もし、購入を検討されるなら、是非会社に甘える事をオススメします〜w