Character Modeling 3を読んだ感想と、KILLZONE 2のキャラクター制作手法

以前購入した、D'artiste Character Modeling 3を、やっと読み終えました。

この本ですがKILLZONE2のメイキングの内容が、かなり濃かったので良い買い物でした。特にDeferred Debug Viewの解説では、他のゲーム開発ではあまり見たことないビューイングプラグインの説明だったので、なかなか参考になりました。

なので、おすすめ度合いとしては、こんな感じでしょうか。

ゲームキャラクターのメイキングの一例を垣間見るのが目的 ★★★★★
3Dモデリングの技法の習得が目的 ★★★☆☆

KILLZONE2のキャラクターメイキング

この本では大きく3点にわけて、KILLZONE2の制作について解説がされています。特にヘルガストスナイパーの作り方が具体的かつ詳細だったので、まずはそこを読みといてみたいと思います。

  • スタジオの紹介
  • ヘルガストスナイパーの作り方
  • キャラクターの頭部のモデリング

ヘルガストスナイパーの作り方(Building The Helghast Sniper)

キャラクターのコンセプト設定
  • ヘルガストスナイパーは移動したり、被弾すると姿を現し、動かずジッとしていると光学迷彩で体が消える
  • 特殊なスキルを持っている残忍なキャラクターとして設定されている(下記動画参照)


ベースメッシュの制作
  • ベースメッシュはMayaで制作。
  • Zbrushに持っていった時もスムーズに割りが増やせるように、四角形ポリゴンを維持しながら制作
モデルのセットアップ(骨入れ)
  • ベースメッシュの初期ポーズは、プロジェクトでの標準のボーン構造にに合わせられる。
  • 骨は全てのキャラクタに使用されているものを共通化
    • 他のクラスにリアルタイムで、敵キャラに化けれるスキルを持つものがいる
ZBrushでのSculpt
  • ZBrushのSubToolsは非常に便利
  • 特に有機的なモデリングには、非常に有効
  • 手袋以外は真面目に高解像度モデリング
  • 手袋は他のキャラのものを流用。
  • ノーマルマップを焼き込み為に、エクポート
in-Game Mesh
  • 最終的なゲームモデルは、Maya上で制作
  • モデルは10,000ポリゴン程度に制限
  • ポリゴンは出来る限り、四角形を保つ
UVレイアウトと焼き込み
  • 基本に忠実に、頭部はできるだけ大きい領域を確保
  • 焼き込みは、MayaのTurtleプラグインを使用
  • ※設定のSSも掲載されています。
テクスチャ
  • カラーマップ
    • R:カラー R成分
    • G:カラー G成分
    • B:カラー B成分
    • A:アンビエントオクルージョン
  • ノーマルマップ
    • R:法線ベクトルX
    • G:法線ベクトルY
    • B:法線ベクトルZ
    • A:無し
  • スペキュラマップ
    • R:スペキュラ
    • G:リフレクティビティ(反射)
    • B:Fresnel インテンシティ
    • A:無し
  • Cloaking effect
    • ヘルガストスナイパー専用のシェーダーで使用するテクスチャ
    • 光学迷彩で使用
LOD
  • LODを3段階作成
モデルの種類 ポリゴン数
現状のモデル 10,000
LOD1 5,560
LOD2 2,640
LOD3 1,770
Deferred Debug View
  • Mayaのビュー上で、ゲーム中と同じDeferredレンダリングの各フレームバッファが確認出来る
    • Color
    • Depth buffer
    • Surface roughness
    • View Space Normal
    • Specular intensity
    • Glow intensity
    • ※紙面で確認できたのはここまで
光学迷彩シェーダー

  • グラディエントのパターンと、しきい値の調整。あとNoiseテクスチャの使用。
  • ※紙面に、Shading NetworkのSSが掲載されていますので、そちらをご覧ください。

もちろん言葉では全部説明しきれないので、興味があれば実際に購入していただく事をオススメします。また時間があれば、キャラクターの頭部のモデリングについても書いてみたいと思います。