CEDEC 2010「いまどきのUIワークフロー」と、UIアーキテクト職について

このセッションはゲームデザイン枠で行われた、30分のショートセッションです。

今年のCEDECから導入されたショートセッションですが、必要な情報のみで構成され、要点も分かりやすく、個人的には満足なものが多かったです。

ではレポートです。

概要

Scaleformを利用したワークフローの紹介と、UIアーキテクトのススメ

  • 一般的なUI作成の流れ
  • 問題点
  • 方策
  • 事例デモ
  • Scaleformを導入して気づいたこと

一般的なUI作成フロー


チェックから仕様まで戻る
  • 手触りが悪いと、1から作り直し。
  • 手触りがわかる段階が遅い…。
海外のパブリッシャーはユーザーテストを行う事が多い
  • メニューのどこどこで、ユーザーが引っかかったので対応してくれ。というエクセル表が直接来る
    • 理由としては「UIで設定がしにくい」というだけでメタスコアが下がる
    • メタスコアは減点方式なので、対象は潰せと言われる
  • ユーザーテストは、開発末期にくる事が多い
    • 結果、対応が困難な状態になる

昔のワーフローの問題点

1、他種類のアセットとのやりとりが発生する
  • 全ての種類のアセットを一元管理できる
2、アートとコードが混在している
3、早い段階での動作確認が出来ない
  • 実機と同等のプレビュー構成
4、貴重なリソースが拘束される
  • 各職種が並列進行できるワークフロー

→Scaleformの導入で解決

方策

UIアーキテクト職の新設
  • UIアーキテクトが、Flashで各メニューの"モックアップ"を作成
    • 画面遷移・必要な情報・コンセプトレイアウト・触り心地を決定する
    • Action Scriptも書く

プログラマ・デザイナ・UIアーキテクトの並列作業が出来る
→またFlash上で触り心地が確認できるので、後戻りが少ない


Scaleformを導入して気づいたこと

コンポーネントで動作の指定
  • オプション画面の遷移
  • ドロップダウンメイン
HUD
  • ScaleformをC++で叩く
  • 昔ながらの手法で
まとめ
  • Flashを導入して、半年経っていないくらいの期間
  • 難しかったところ
    • 描画負荷やメモリ負荷のコントロール
    • Action Scriptに頼る部分が多い
    • Flashコンテンツ制作のノウハウが必要

質疑応答

Q,Action Scriptの習得はどれくらいかかったか?
A,Action Script 2.0であれば比較的簡単
  • プランナーは、他の作業をやりながらでも1月やっていれば大体わかってくるはず
Q,UIアーキテクトを分けていたが、作業分担はどうしているのか?
A,前回は、自分がディレクターとUIアーキテクトを兼任した
Q,メモリの負荷計測に"アンプル"AMPっていう機能が便利だが使っているか?
A,使っている。便利だった。
Q,会社がUIのミドルウェア導入に否定的。「Scaleform採用!」はゲームの売りにならない
A,お金を出してもらうための説得方法を考えてみてはどうか?
    • コンバーター作るのにも、お金かかる
    • 仕様が決まらないので、どうにかしろ!とか。
Q,UIアーキテクトをさがすのが大変。今後さがす方法はあるか?
A,Flashって事で、WEB業界をさがすのはどうか
  • 餅は餅屋。Flashの専門家に任せたほうが良い


以上。