ブレイブルー CS 「eスポーツイベントを意識した、格闘ゲームのゲームデザイン」
昨日、京都の立命館大学で行われた、eスポーツのイベントに参加してきました。
内容はブレイブルー CONTINUUM SHIFT(以下、ブレイブルーCS)をテーマに、京都のゲームセンターa-choさんが解説・アナウンスを行うゲーム大会と、ブレイブルーCSの開発者によるゲームデザインについての講演でした。特に格闘ゲームの人口拡大についての話と、現在の格闘ゲームの認知を広げようという動きは、なかなか相性が良いんじゃないかな。と気付かされたイベントで、参加して良かったと思います。
概要
日付 | 2010年6月12日(土) |
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時間 | 13:00〜17:30 |
場所 | 立命館大学 衣笠キャンパス 充光館301号室 |
レジュメ | 第二部:ブレイブルーCS スペシャルマッチ(一回戦・準決勝) |
第二部:ブレイブルーCS「eスポーツイベントを意識した、格闘ゲームのゲームデザイン」 | |
第三部:ブレイブルーCS スペシャルマッチ(決勝戦・エキシビジョンマッチ) |
その中でも、第二部のブレイブルーCS開発者による、ゲームデザインについての講演が面白かったので、そちらの内容をまとめてみました。
第二部:ブレイブルーCS「eスポーツイベントを意識した、格闘ゲームのゲームデザイン」
講師
- 株式会社 アークシステムワークス
- プロデューサー/キャラクターデザイナー
- モリ トシミチ 氏
- プランナー
- Pachi 氏
講演内容
- Pachi 氏の経歴と役割
- 昔、ギルティギアでブイブイ言わした有名プレイヤー(強豪ファウスト使い)
- その後、アルカディアのライター
- 現在、アークシステムワークス プランナー(バトルデザイン・調整)
ブレイブルー CSを作るときに意識したこと
- 前作のユーザーも大事だが、新規のプレイヤーの増加を意識して作っっている
- ビギナーモードの搭載
- ブレイブルー CALAMITY TRIGGERの頃から、付けたかった機能
最近の格闘ゲームは先鋭化されて来ている
- 格闘ゲームはギャラリー受けする反面、自分がプレイするというモチベーションが湧きにくくなってきている。
- 見る専(ギャラリーオンリーのユーザー)の増加
- どうしても、プレイしてもらう事のできるような取っ掛かりを作りたかった
- ギルティギアは、上手い人のプレイを見ていると面白いが、実際対戦すると太刀打ちできない
- 見ていて楽しいのはもちろん重要だが、敷居が高くなってしまう事に不安もあった
ギルティギアのゲームデザインから大きく変わった事
- 液晶モニタ採用による、ラグ・遅延との戦い
- ブレイブルーは先行入力を簡単作ったシステム
- 硬直中にボタンを入力していれば、入力を受け付けてくれる
- ラグを意識した作り
- 目押しコンボなどはラグのある環境では難しい
- その辺り、ストリートファイター4でも、改善してきているように感じる
家庭用で入ったシステム
- チャレンジモード
- 段階を踏んで、コンボを練習するモードとして設定
- 最初はヌルく、最後はマゾく
- ゲーム内で、コンボのリプレイ(解答)が確認できるモードの実装
- 「技の羅列を見ていてもわからん」といった事を、実際のコンボを見て「なるほど」と納得してもらう
格闘ゲーム人口が少なくなってきている
- 格闘ゲームをただ単に発売するだけでは流行らない
- どうすればゲームセンターに戻ってきてくれるのかを考えた
- 格闘ゲームは敷居の高いものではなく、楽しいものだという事を伝えたかった
- まずは、注目されるモノにしようと考えた
eスポーツとしての発展を考えたゲームデザイン
ブレイブルーCSの醍醐味
- オンラインの環境は、胸を張ってよく出来ていると言える
- この環境を利用して対戦の面白さを感じて欲しい
スポーツとして発展させるには、スター選手がいないとしんどいかもと考えている
- 野球でも、サッカーでもそう
- ルールを知らなくても、選手の活躍を見ているだけで、楽しめる環境が必要ではないか
- スト4の梅原くんはプロになった
- そういう選手が出てくると広がると思う
一番の理想は闘劇などのイベントを全国ネットTVで中継する
- TVで試合を観て、そこで活躍している選手に憧れを持ってもらえる
- あの舞台に上がりたいと思ってくれる環境づくりを考えていきたい
とにかく人口を増やさないといけない
- どんなに上手い人間がいても、それが2人しかいない。だと話しにならない
- 上手・下手は、ひとまず置いておいて、それが千人いるのか?一万人いるのか?その方が重要
- 今はやっとそこを改善するべく歩みだした段階
- まだ初期の初期
質疑応答
講演の最後に、参加者のみなさんから質疑応答の時間が設けられました
Q : ビギナモードで気になった事
- "ビギナーモード"とつくと初心者がやりたがらないことが多い
- だいたい、初心者は普通のモードをやって、玉砕することが多いがそれをどう思うか
A : おっしゃられる通り。社内でももめた
- オートマチックモードでもいいんじゃないかと、思っていた事もあった
- 自動車でいうと、オートマから、ミッションにレベルアップしていく様な感じ
- 正直、いろいろ検討した。
- アーケードで出した時は、アーケードの都合上こういう形になった
- ただ、載せないより載せる方が良いという決断
- よりより形を模索中。最初の一歩になればよいかと思っている。
Q:新しい客層を求めるという点では、アーケードと家庭用で求める客層は違うのか?
A:昔は違ったと思う。でも今はそんなこと言っている場合ではない
- 今は分けて考える余裕がなくなっている。興味を持った人に一人でも、二人でも間口に入ってもらいたい。
Q:使っていて楽しいキャラ
A:基本全員好き、強いて挙げるなら
- Pachi 氏
- 最近好んで使うのは、ハザマ・ラムダ
- モリ 氏
- 好き:白面
- 使っていて楽しい:ラムダ
- 対戦していて楽しいのは:ジン
Q:アークシステムワークス以外で、好きな格闘ゲームは?
A:色々あそんでいるが、強いて挙げるなら
- モリ 氏
- 2D:ヴァンパイアハンター
- 3D:鉄拳3
- Pachi 氏
- 新しいゲームシステムが好きなので
- パンチ音が超気持ちいい
- ファイターズヒストリーダイナマイト
Q,家庭用のオンラインが流行ると、ゲーセンにこないのではないかという心配がある
A:それはそのとおり。
- ただ、まずは人口を増やさないといけないので、家庭用で対戦の面白さを知ってほしいという狙いはある
- アーケードは、アーケードでしか味わえないライブ感がある
- それはそれで強力な強み
- 格闘ゲームユーザーなら、両方味わって欲しい
以上。