Alan Wakeのメイキング動画と、使われたテクノロジー

昨日、会社の後輩に「Alan Wakeのメイキングがとても良かったですよ〜」的な事を聞いたので、帰宅してからメイキング動画を検索してみました。

いくつか見つかったのですが、その中でも特に面白かったものが下記の"Alan Wake: Building the Technology"です。今回は下記の動画で出てくる要素を書き出してみようと思います。

Alan Wake_ Building the Technology

この動画では、Alanwakeで使われた技術や手法の紹介を簡潔に説明されています。元々開発会社のRemedy Entertainmentは、ベンチマークソフトFinal Realityの開発を行っていた方々のようで、ゲーム中で利用されているテクニックは「テクデモ?」と思うような贅沢な作りになっているものがある様です。

ENVIROMENTS AND SCALE

Alan Wakeで登場する背景は実在のオブジェクトに基づき、ロケハンした資料を元に制作を進めたようです。

この方法はフォトリアルなゲームでは非常に有効で、キャラクターも実在の人物をそのままCGモデルに落とし込んでいるようです。(はちま起稿さんに掲載されていた画像)

ちょっと前に書いたKILLZONE2の制作事例でも、そのような手法がとられていたので、最近事例が増えてきているのでしょうか?(余談ですがSIRENシリーズも主人公から、村人から実在の人物を資料にしてたのを思い出しました。一番最初に見たのは、あれかもしれません…。)

BUILDING THE WORLD

マップエディタの作業動画です。ペイント機能で地形をモリモリしたり、草を生やしたり、UDK、Cryengine的な編集機能が揃っているようです。ここでは写っていませんが、イベントなどの設定などもできたりするのかも知れません。

あと、UDK触ってると思うのですが、ゲームデザイナが一番最初に制作するベースメッシュが、遊びの要素として重要だと思うのですが、その段階をこのエディタでやっているのか、DCCツールからデータをエクスポートして作業するのか?その辺りも気になります。

RENDERING AND POST-PROCESS

ポストエフェクトなどのウォークスルー映像です。同じマップで、昼から夜から、霧の濃さなど変わる様子を見ることができます。詳しい設定などは、次の"WEATHER AND TIME"で出てきます。

WEATHER AND TIME

マップの気候と時間を編集するツールです。スライダだけで天候・時間、あらゆるものが変わるようで、リアルタイムでの環境変化は今まで見たことが無い、柔軟なエディタのようです。下記に簡単にパラメーターを抜き出してみました。

Ambience System
Fog Color R
Fog Color G
Fog Color B
Fog Intensity
Particle Color R
Particle Color G
Particle Color B
Particle Intensity
Moon
Moon Color R
Moon Color G
Moon Color B
Moon Intensity
Wether
Cloudiness
Fogginess
Rain Intensity
Wind Strength
Storm

特に凄いのが一番下の"Wether"カテゴリ、"Cloudiness"パラメーターで雲が立ち込め、"Wind Strength"で風の強さが変わり、Maxまでスライダーを移動させると雷が発生するようです…。テクデモ映像などでは見たことある様な気もしますが、ゲームで見たのは初めてです。

また、パラメーターのページ数が"5/10"とあるので、他にも様々なパラメーターが用意されているようで、非常にリッチなエディタのようです。

CHARACTERS AND MOVEMENT


ここでは、キャラクターへの照明と、モーションのキャプチャーシーンが収録されています。キャプチャーシーンは、よく見る映像なので置いておいて、キャラクターのライトの設定は、なかなか面白いです。

light
CINEMATIC LIGHT 1
CINEMATIC LIGHT 2
Enable Light
Visualize
Cast Shadow
Follow Pelvis
Camera Alignes
Color R
Color G
Color B
Intensity
Target X
Target Y
Target Z
Heading
Pitch
Cone Angle
Depth Bias
Slope Bias
Rig Offset

キャラクターの照明をスライダでいじるんですが、あまり直感的じゃ無い気がしますが慣れでしょうか?

あと、"Visualize"、"Heading"、"Pitch"など、「何に使うの?」というようなパラメータがいくつかあります。最後にチラッと映る"Rig Offset"というパラメーターも、ちょっと分からないです…。これについては、近くにいるプログラマさんに聞くのが良いかもしれませんね…。自分も会社で聞いてみます(汗)

メイキング動画その他

上記以外のメイキングシーンもなかなか面白かったので、よければあわせてご御覧下さい。




以上です〜。