ホッタラケのセミナーに行ってきました。その2
昨日の続きです。
今回のセミナーが終わってから、色々考えました。
その結果、一番強く残った思いとしては、映像製作では作るコンテンツの特性と、それに必要な適性をキッチリ認識してるんだな、という事です。それで、ここから学ばなければいけないと思った事が、2つあります。
- コンテンツを作るために必要となる適性を考えて、作業を分担する
- 職制を分けて、責任をはっきりさせる
例えば、主人公キャラ1体が、実際にゲームに出るまでの工程を、ゲームのスタッフロール*1で見ると、
で大体終わるんですが、
今回のホッタラケでは、
- キャラデザ
- デザインスーパーバイザー(表情集)
- モデリング & テクスチャ
- リギング
- アニメーション
- カラーリング
- コンポジット
と複数の工程に分かれています。
これは各工程にキッチリと重要な意味があって、そこに必要な適性が違う事が徹底してるからじゃないかなと。最近このブログでも書かせてもらっている、アニメーションの工程を例に取ってみると、ゲーム業界では、なんとなく「アニメーションに関係するから、Rigも各キャラのフェイシャルもやっといてねぇ」って感じだった*3のですが、ホッタラケでは、そこを表情集・リギング・アニメーションと区別しています。やはり、上手いアニメーションをつける人が、凄いリグを組めるかと言うと、それは無理で、全く適性が違う。あと、表情集っていうのも実は有効な手段で、3D出身のアーティストって、ある表現を行おうとした時に3Dのデータの縛りを気にしてしまう。「ここまで極端な動きしたら、ポリゴンが破綻するから、この枠内で作ろ〜。」とか、「処理負荷がかかるから、ゴニョゴニョ…。」とか。でも2D出身の方って、そういうデータの縛りとかがないので、「面白い表現はこうや!」って表現優先のアイデアを出してくる。そういうのを踏まえて、各工程を見直すと、
- 面白い表現だと思うものを、制限なく提案(デザインスーパーバイザー)
- 出てきた提案に対して、表現を最大限に活かす為の仕組みを作る(リギング)
- 最大限に活かされた仕組みで、最大限のアニメーション表現を作る(アニメーション)
映像業界は、適性の違いと責任をハッキリ分けて、全ての工程が相乗効果的に「クオリティを追求する」という方向に向いてるんだなと、そういう風に思いました。なので、一度ゲームのワークフローも見直しをかけて、キッチリと特性と適性を考える事が必要かもしれません。最近の「テクニカルアーティストが必要だ!」って流れはその兆しなんじゃないんでしょうか。
この辺りについては、引き続き勉強していこうと思います。
聞きそびれた質問
各セクションのスケジュール管理はどうやってるの?
- 上記の各セクションのリードの方たちは、クオリティコントロールをしていると説明がありましたが、合わせてスケジュールのマネージメントとかもしてるんでしょうか?もしかして、他に進行管理さんがいて、やってたりするんでしょうか。今になって聞きたくなってきました。
協力会社から上がってくる成果物は、どんなフローで管理しているの?
- たくさんの協力会社の名前がありましたが、データのやり取り・指示を出す等は、各セクションのリードの方がやってるんでしょうか?これも、別に管理部隊がいるんでしょうか。気になってきました。