Unreal Development Kit 関連のチュートリアル・コミュニティ情報まとめ

Unreal Development Kit(UDK)を触っていく過程で見つけたUDK関連情報を、自分用にも使えるようにまとめてみました。

ツールが有名な為か情報サイトが多かったので、大きく4つのカテゴリに分けて整理しています。

  • UDK 情報サイト
  • ユーザーコミュニティ・フォーラム
  • チュートリアル・サンプル
  • UDKユーザーのブログ

UDK 情報サイト

UDK - Unreal Development Kit - Epic Games

UDKの公式サイト。UDKの基本的な情報が掲載されており、UDK本体のダウンロードもここから行います。特にhttp://www.udk.com/showcase:TITLE=ShowCaseでは、UDKを利用して作成されたゲーム(6種類+α)がダウンロード可能となっており、UDKを利用すればどんなゲームが製作できるかが分かるようになっています。

個人的にBounty Armsというゲームのビジュアル表現は、婚世代機の定番表現が詰まっており中々凄いと思います。これもフリーで遊ぶことが可能です。

UDK 公式ヘルプ(日本語)

UDKの公式ヘルプサイトです。初期の頃は、あまり日本語化が進んでいませんでしたが、現在はかなりの文章が日本語化されており、使い方の基本的な説明はココで網羅出来るようです。先日エントリーで書いた製作フローについても、ここから引用しています。

また、最近サポートされたFBXのインポートについても、すでに日本語化されているようで、更新頻度は高いようです。

Unreal Wiki(英語)

UDKの情報を集めた、海外のWikiです。

自分はまだ利用していませんが、かなり情報量が多いようで、UDKの包括的な情報、UnrealScriptを中心にドキュメントがまとめられています。

Unreal Script Online Document

Unreal Scriptのドキュメントをまとめたページです。(SoftimageでいうSDKガイド)

利用できる関数の検索から、簡単なサンプルまで、Unreal Scriptを利用する時にはお世話になりそうな情報がまとめられています。

UDK TIPS

UDKを利用してのMOD製作をメインにまとめられているページです。

海外のチュートリアルの和訳や、具体的な制作ノウハウなど日本語サイトの中では情報が豊富なようです。更新回数も多いようで、今後も定期的に見に行ってみたいと思います。

UnrealED4解説

UDKのチュートリアルを紹介しているサイトです。

数は少ないですが、他のサイトにはない解説もあるので、ここで補完する事が出来ます。特に自分はマテリアル周りを中心に調査したいので重宝しそうです。

Unreal Development Kit Wiki

こちらも日本語のUDK情報をまとめたページです。

現状、まだまだ情報が少ないようですが、今後の充実に期待したいところです。

ユーザーコミュニティ

UDK公式フォーラム

EpicGames公式の、UDKユーザー公式フォーラムです。

公式だと言うこともあり、他のサイトより議論が活発にされているようです。なかには作ったゲームのSourceをアップしている方もいらっしゃるので、UDKをヘビーに利用する際には重宝しそうです。

Mods for Games

UDKと直接関係ないですが、各種ゲームのMODを集めたサイトです。

そのなかにUnrealTournament3のMODを集めたページがあったので、そちらの制作事例などはUDKを利用する上でも参考になりそうです。

チュートリアル・サンプル

4Gamer - 完全図解UDK

以前も紹介した、UDKのチュートリアルです。

画像もふんだんでわかりやすく、ブロックメッシュから、Kismetを利用した敵AI制作まで一通りの手順が習得できます。自分もココで勉強しましたが、とてもわかりやすく初めて利用される方にはオススメです。

Unreal Engine 3 ビデオ チュートリアル

UDK公式のビデオチュートリアルです。

かなりの数が収録されており、UDKの広範囲の作業を押さえているようです。自分もマテリアル周りのビデオを落としてみていますが、基本的な使い方はほぼ網羅されているようです。あと、ビデオなので英語がわからなくても、手順がわかって、とても助かります…。

【UDK】 10分でできるしまぱんオブジェクト(Part1 〜 part4)

Softimage|MOD Toolで制作したモデルをUDKにインポートし、スタティックオブジェクトとして画面に表示するまでの流れを丁寧に紹介しています。

題材となっているオブジェクトが縞々パンツですが、とてもわかりやすいムービーです。解説でご本人がおっしゃってるように、UDKのチュートリアルというよりはデモンストレーションという表現がピッタリで、ボォーッと眺めているだけで、作業の流れが理解でき、UDKを始める前に見るとツールに取っ付き易いかもしれません。

UDKユーザーのブログ

UDKメモ

Unreal Development Kit Wikiの管理人の方のブログです。

まだ開設して間もないようですが、トゥーンシェーダーの検証記事など面白い記事を書かれています。自分も検証したいと思っていた、Unreal Engine上でのNPR表現に挑戦されているので、非常に興味があります。

FPS UnKnown

上記の縞パンのデモンストレーションを制作された方のブログです。

UDKの解説記事をいくつか書かれています。あと、このブログを見るまで知らなかったんですが、UDKにフラクチャーツールが付いているんですね、今日まで知りませんでした…。

Little Meteor

UDKを利用し有志でゲームを作っている方のサイトです。

管理者のブログでは、メタセコイヤからのエクスポータなども配布しているようで、メタセコイヤを使われる方は参考になるかもしれません。

アクト ツー BLOG

Softimage|MOD Toolと、UDKを利用している方のブログです。

MOD Toolからのデータエクスポート手順などを解説した記事があり、今後の作業で参考になりそうです。

まとめ

今までに見つけたUDKの情報サイトは以上です。

まだまだ自分は海外のUDK利用者のブログなどを調査していなかったり、各種フォーラム周りの記事が読めていないので、全てを網羅した情報ではないのですが、今後調査が進めば随時追記していきたいと思います。ではー。

UnrealEngineを使ったEpicGamesのゲーム制作フロー

ここ3週間くらい、自宅でUDKを再学習しています。

以前UDKを使おうと思った時は「ライセンスの関係で、会社で使えないんじゃ意味ないなぁ〜」と思って放置してたんですが、最近「自宅でのリアルタイム表現の検証用には使えるかな?」と思いついて4Gamerのチュートリアルや、UDKの公式Webを見ながらフィールド作ったりして遊んでいます。

今回は、その過程で見つけたUDKの公式Webにある"EpicGames社のデザイン ワークフロー"ページが面白かったので、読み解いてみました。ここではBG制作を主軸にUnrealEngineを使用したゲーム制作フローが一通り紹介されています。(文中に”Gearsの時は〜”という記述があるので、多分Gears of War製作時のワークフローだと思います。)また、言葉だけでは各項目の関連性がわかりづらかったので、簡易的なフロー図も作ってみました。

Epicのゲーム制作は、まずゲームプレイのコンセプトから

Epicのゲーム制作は、ゲームプレイのコンセプト固めから開始し、コンセプトアート・プロトタイプ制作を経て完成まで持っていくという、日本の開発でも馴染み深いフローを採用しているようです。

海外のゲームはコンセプトアートや、プレイ体験からプロジェクトが始まるものも多いとLyeさんのIDA-10さんへのインタビューでも出てきたのですが、Gears of War のように新しい遊び(TPSでのカバーアクションや、ブラインドファイア)を入れる場合は、やはりゲームプレイのコンセプトを固める所から入るようです。

※画像をクリックすると大きく表示されます。


ゲームプレイのコンセプトはゲームデザイナと、プログラマで作り込む

ゲーム制作で一番最初に決める事となるゲームプレイのコンセプトは、レベルデザイナとプログラマが協力し、UnrealEngineを使用して試作品を製作するようです。

その際、KismetというUnreal Engine内での処理を記述するのに使われるビジュアルプログラミング環境を使用し、オブジェクトなどの挙動や、AI等を試作し、ゲームプレイのコンセプトを確かめていくようです。

Kismetとは?

 Kismetには,以下の要素が含まれています。

* イベント:どういう条件で処理が始まるか
* アクション:実際の処理
* 条件:処理の振り分けなど  
* マチネー:Unrealのアニメーション管理システム(後述)
* 変数:処理中に使われる値を保持し受け渡す
* オブジェクト:アクタや処理中の複雑な変数など


 処理は必ずイベントから始まり,アクションはオブジェクトに結びついているので,どのオブジェクトの動作かを「Target」で指定します。処理の流れとデータの流れは色の違う線で結んでいきます。演算や比較では,AとBの2種類の変数が必要です。
 どのような条件で呼び出すことができ,どのような動作をさせられるのかが分かれば,FPS以外にも簡単なゲームを組むことはできそうです。


引用元:完全図解,無償配布のUnrealEngine 3開発キットで3Dゲームを作ってみよう

フィールド制作の出発点は、コンセプトアートから

ゲームプレイのコンセプトが決まれば、次にコンセプトアートの制作に入るようです。コンセプトアートは、レベルデザイナとアーティストが協力して製作し、世界観の設定や、ゲーム中に登場するデザインオブジェクトの制作を中心に、ゲームプレイのコンセプトを踏まえたフィールドのコンセプトアートを制作します。EpicGamesではゲームプレイのコンセプトが完了するまで開始されないようです。

コンセプトアートを制作し、アートディレクターとデザイナーリードの承認を得れば、担当となるレベルデザイナと、BGアーティストに渡して、それぞれがコンセプトアートから情報を読み解いて、フィールド制作を進めていくようです。

Epicのモデル製作は、ハイポリゴンモデルが先

EpicGamesのモデル製作ワークフローはCharacterModeling2でも掲載されていたように、ハイポリゴンモデルを製作してから、ローポリゴンに落としていく、製作スタイルを取っているようです。

※画像をクリックすると大きく表示されます。

自分がよく聞く方法は

  1. ローポリゴンモデルの製作
  2. ハイポリゴンの製作
  3. ①で制作した、ローポリゴンモデルにノーマルマップの焼付け

(この後調整で行ったり来たりしますが…)

という所が多い(?)と聞きますが、海外ではまずハイポリゴンモデル製作が先に来ることが多いようです。そういえばCharacterModeling3で掲載されていたKILLZONE2のヘルガストスナイパーも、ハイポリゴンから製作していました。

軽くまとめ

評判通り凄いエンジンだと、改めて思いました。ゲームデザイナやアーティストの試行錯誤が、エンジン上である程度自力で再現できちゃうんですね…。凄い。しかもTPS・FPSを作る時はEpic Gamesで実際に使われたデータ制作フローを参考にできるので、これもなかなか強力…。

うぅん、このエントリまとめてわかったんですが、やはりこのエンジンは触り倒さないとダメみたいですね。まだまだ表面的な部分だと思うので、もう少し深い部分も理解出来るように頑張ってみようと思います。ひとまず、メインの目的としてはモデルをインポートして、マテリアルエディタで、シェーダを検証するみたいな部分がメインになるとは思いますがKismetも面白そうですし、うぅん…。ボチボチやってみます(汗)

ニコニコ動画で”ゲームエフェクト集”と検索したら出てくる動画

先日、会社の同僚にゲームエフェクト資料の見つけ方を教えてもらいました。方法はエントリーのタイトル通りで、ニコニコ動画検索窓で”ゲームエフェクト集”でタグを探すと、大量のゲームエフェクト参考動画が出てきます。

ニコニコ動画”ゲームエフェクト集”検索

なかなか資料として有用な感じで、有名どころからマイナーどころまで、それはそれはもうたくさん…。その中でも自分が今までノーチェックだったけど、良い感じだなと思ったゲームを中心にいくつか動画をピックアップしてみました。

エフェクトが素敵

ドラゴンクエストバトルロードシリーズ

まず最初にドラゴンクエストバトルロードシリーズの動画です。タイトル通りクオリティが異常なんですよね…。最近Wiiに移植が決まったのと、この動画が色んなブログでも紹介されていたのでご存知の方も多いかと、ひとまず一発目はこれで。


ブレイブルー CS

ノーチェックだったんですが、演出こんなド派手なんですね。これらの技はギルティギアシリーズの一撃必殺系の技でしょうか?クオリティも高いですし見ごたえあります。

ポケモン バトルレボリューション

ポケモンの3D造形も好きですが、特にエフェクトの情報量が多くて、PS3・360です!って言ってもも通用しそうです。歪みを多様したエフェクト表現は完成度高いですし、さすがと言った所。

北斗無双

パワーアップすると、こんなこと出来るんですね…。

演出も素敵

ココからは、エフェクトに加え、演出もスゲェ!といったものです。

餓狼伝

餓狼伝は全くもってノーマークだったなぁ、掘り出し物。CGキャラなのに、メチャクチャ痛そうな表現が出来てるってのは驚愕ですね、凄い。動画のコメントでもありますが、ダメージモーションが非常に豪華に作られているので、タダの正拳突きがムチャクチャ強力な正拳突きに見える。ダメージモーション重要。


ベヨネッタ

やっぱりベヨ姉は外せない。こうやってまとめた動画見ると圧倒されますね。若干グロとエロがありますが、さすがのキャラ立て。他のゲームでは、ここまでのオリジナリティを味わえませんね。下記動画最後のステージと、いくつかのボスが抜けてるので、それがちょっと残念。



ナルティメットストーム

皆さんご存知ナルティメットシリーズです。かなり遊んだし研究もした。このゲーム自分が大好きなのが、頭のてっぺんから、足の指先まで気を使ってアニメーションさせてるのが良いんですよね。コマ送りで見ると、いろんな場所が微妙に変形してたり、気を配ってるなぁと。特に演出になると完成度が異常で異常で…。

NINJA GAIDEN 2

初代NINJA GAIDENの一面のボスで挫折した人間なので、こんなド派手な技は見れないだろうなぁ…。今回の動画の中では最速の演出じゃないでしょうか。とにかく速い…。いつかNINJA GAIDENクリアしたい。

FINAL FANTASY 7・8・9

有名すぎるので出さないでおこうと思ったんですが、やはりFFは外せない。特にPS1時代のモノは、演出がバブリーでアイデアもぶっ飛んでいて観ていて飽きません。懐かしさもありますが、改めて見ると色々と冒険してますね。好きです。


という感じでまとめてみました。ノーチェックなゲームの中にも、クオリティの高いものが多いですねぇ。プレイしたことが無いものも多かったので、会社のライブラリ探って遊んで見ようかと思います。餓狼伝とか、NINJAGAIDENとか、遊んだらあの演出がどういうふうな印象になるのかな?ゲームプレイと噛み合ってると、嬉しいなぁ。

GDC2010報告会「ビジュアルアート系セッションから〜技術より手法〜」

前回のレポートから日にちが空いたので、新鮮さが失われつつありますが、GDC報告会のレポートを書こうと思います。

というのも、先週抜いた親知らずの跡がずっと痛くて、家帰ってからは毎日寝込んでました。うぅぅ…。まぁそれはともかく、今回はGDC報告会のアーティストパートの報告をまとめました。

ビジュアルアート系セッションから〜技術より手法〜

はじめに

この報告は、セガの岩出敬さんと、スクウェアエニックスの田中雄介さん2名による、GDC2010で参加したビジュアルアート(以下VA)系セッションの、総括を報告されたものです。


ここでは一つのセッション内容を掘り下げるのではなく、お二人がGDCで受けたVA系のセッションからうけた印象や業界のトレンドを総括的にまとめられており、各ニュースサイトに載っている記事では味わえない、アーティスト視点からのより実践的な内容を報告されています。

アジェンダ
  • 今回受講したセッション
    • GDC2010全体の雰囲気・トレンド
    • セッションを例に挙げて解説
    • まとめ
GDC2010全体の雰囲気・トレンド
  • 結論からいうと”革新的な技術の発表は少なかった”
    • 技術を発表するのではなく、手法(創意工夫)の発表が多くなっていた
      • 魅せるための手法 (ゲーム的な演出手法)
      • 効率化のための手法
→すでに、ノーマルマップがどう、シェーダーがどうとかいう話はなく、それらを効率的に、凄いものに魅せる手法の話が中心となっていた。
→今世代機の技術は、一段落したイメージ。

魅せるための手法

  • 魅せるための手法とは?
    • そのゲームに相応しいビジュアルを魅せるために、技術やテクノロジーではなく、どういう伝え方をすべきかを追求した手法。
  • 具体的には、
  1. 映画製作のテクニックの導入
  2. 効果的に魅せるためのアイディア
  3. クオリティを備えるための管理術
  4. 分業化の定着によるスキルの追求

1.映画制作のテクニックの導入

Uncharted 2 : Art direction
    • チームが目指したのは、どこまでハリウッドに近づけれるのか?
    • ゲームも映画も解決法が同じである
      • 今までも、ハリウッドの手法を一部使ったゲームはあったが・・・。
  • 具体的な作業としては
    • ColorScriptの制作
    • 各場面でのコンセプトアートの制作
  • SHAPE LANGUAGE(建築形態言語)
    • 映画背景で使用される、建物や構造物への認知科学的なアプローチでの設計
      • シャンバラの寺院などは、安定感を表現するために、ピラミッド型の設計
      • 不安な印象を与えたいジャングルでは、逆三角形のオブジェクト(墜落した飛行機)を配置し、不安感を与える
→テクノロジーではなく、演出の手法

建築の形態言語―デザイン・計算・認知について

建築の形態言語―デザイン・計算・認知について

2.効果的に魅せるためのアイディア

インフェイマスの街生成について(Building an open-world game without hiring an army)

http://www.inside-games.jp/article/2010/03/13/40974.html

  • 街を四角形のタイルベースのモノではなく、六角形ベースで作る
    • まっすぐ走ればすぐに曲がり角がくるので、絶対に地平線が見えないものになりゲーム向き
  • 要所にふさわしい、ランドマーク的なオブジェクトを置けば、リピートの違和感は全く無くなる

3.クオリティを備えるための管理術

アートディレクション・オブ・バットマン(Rebooting a Super Hero Video Game IP)

http://www.inside-games.jp/article/2010/03/16/41038.html

  • 元々がアメコミ原作なので、アーティスティックなライティングになっている
    • 普通に作ると、写真をみて作るのではないので、ブレる
    • メンバーによって、雰囲気や色の方向性がバラついてしまう
  • クオリティを揃えるための管理術として、カラースクリプトを徹底的に用意した
    • ガイド・リファレンスを使った

4.分業化の定着によるスキルの追求

アンチャーテッド2の画作り
  • 昨今の背景制作の流れ
    • 1,レベルデザイナー

↓大まかな形状(ブロックメッシュ)

    • 2,背景アーティスト

↓それを仕上げる

    • 3,完成
→海外がずっと先行している作業フロー
  • 今までの制作では、一人のメンバーが、絵を描いて、ポリゴン作って、テクスチャ描いてと言う事をしてきたが、日本でも大規模なフィールドを使用したゲーム制作が必要になってきて、上記のフローに移行していたり・移行しつつある。
  • まだ日本では分業化によって、ポリゴン作るだけ、テクスチャ描くだけという作業が、モチベーション的にネガティブなイメージがあるが、欧米では悩む所はそういう所ではない。
  • レベルデザイナーからくる、ブロックメッシュを背景アーティストがどう料理するか
    • 渡されたブロックメッシュ通りに、全てのオブジェクトを配置するだけではクリエイティブではない
    • たとえば、レベルデザイン的に”侵入不可”としてブロックメッシュの壁が置かれていた場合でも、そこを山にしたり、廃屋にしたり、断崖絶壁にしたりクリエイティブに出来る要素はいくらでもある

※ここで紹介されていた、画像を見ると、ブロックメッシュからは、想像出来ないぶっ飛んだ発想で、背景が組まれていました。

効率化のための手法

  • 効率化のための手法とは?
    • 現代機で膨大に増えてきている、アーティストのタスクを効率良くこなすための手法

http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20100313_354581.html

  • アンチャーテッドでは、音声データとMOCAP収録を同時に行った
  • 音声とMOCAPを一緒に撮影すると、どんなメリットがあるのか?
    • フェイシャル作成スタッフが、音声の出荷を待つ必要がない
      • だいたい音声データは開発末期に来るので、フェイシャル作業は切羽詰ることが多い
    • 体と、音声データのズレが生まれにくいので、後々の修正が少なくて済む
    • アフレコする場合でも、アクションと同じ役者であれば、収録されたMOCAPデータとのズレが少ない
    • ディレクションが一度で済む
      • MC収録でMCのディレクター、音声収録で別のディレクターが入るので、それが一度で済む
    • 役者を雇うコスト面にも効果あり
  • フェイシャル
    • 全キャラ、顔モデルのトポロジーを同じにする
      • セットアップの効率化
      • クオリティの統一(均一化) 
  • モーション
  • モーションのりターゲット
      • DCCツール上でのリターゲット
  • 開発ツール
    • 開発サポートツール群が潤沢
      • 一つ一つは細かいが、痒いところに手が届く

まとめ

昨年末、自分もちょろっと書きましたが、すでに現在のVAのトレンドは、技術から手法へ移行しているというのは、GDCでも感じられたようですね。最近、技術的な部分はどこも同じモノになってきているので、それよりもその技術を使いこなした上で、どう表現するか、そのデータをどれだけ少ない工数で作るかが重要になってきているようです。欧米では映画業界が近いこともあり、その手法を取り入れて凄いビジュアルを創り上げようというのは、想像もしやすいですし、自然の流れのような気がします。

日本でもその技法を取り入れて、将来的にゲームを作っていくのか?それとも日本独自の路線を切り開いていくのか?

個人的には、最近の日本のタイトルは後者の可能性を含んだタイトルがいくつか見受けられるようになってきたので、たぶん独自の路線を模索しているんじゃないかな?と感じています。そのあたりの話は追々できれば良いなぁ〜と思いつつ、今回はここで終わります。

GDC2010報告会「ソーシャルゲーム関連紹介」についての補足

前回書かせていただいた報告会のエントリーについて、新清士さんご本人からコメントを頂きました。ありがとうございます!

コメントは前回のエントリーを補足する内容で、ソーシャルゲーム(以下SG)とiPhone、2つのプラットフォームの環境の違いをご説明いただいたものです。自分は報告会当日「2〜3年後にはSGも今のiPhoneプラットフォームと同じようになっちゃうんじゃないかな?」と思ってたんですが、どうも2つのプラットフォームは、そう簡単に判断出来ないようです。

GDC2010 報告会「ソーシャルゲーム関連紹介」コメント欄

詳細なまとめありがとうございます。
私も、補足的に。


iPhone 市場と同じようになるという議論がよく行われますが、今年参加してわかったのはソーシャルゲームは短期のブームでは終わらないという感触です。
大きな理由は、誰がビジネスデベロップメントをしていく権利を持っているかです。


iPhoneではビジネススキームの設計する権利がすべて、アップルの側にあり、コンテンツの開発側には権限がないために制約が多いこと。それがコンテンツ企業側が収益を出すことを難しくしている一因になっています。一方で、ハードプラットホームに非依存のSGが強くなったのは、ビジネスデベロップメントまでができていること。
Facebookは環境を提供しただけで、力関係的には、すべてを牛耳りたいアップルとコンテンツフォルダーよりも、より協力的なスタンスを取っています。


 そのために、Zyngaのようなむちゃくちゃな巨大新興企業が登場できる余地があったのです。詳細な収益面の数値については、今回完全に省略しましたが、 Zynga等が稼ぎ出している金額は、iPhoneで一番収益を出しているGameloftより上だろうと思います(未上場なので、正確な数値がわからない)。
また、今のSGがすべてと考えるのも愚案です。Unityを紹介したのは、その点にありますが、なぜこの企業がすごいのかをご紹介するには、時間が足りなかったですね。


もちろん凄まじく競争は激化は進むと思えます。そのため、今から巨大戦艦Zyngaと争う形で参入して、収益が簡単に上げられますよ、とまでは言えません。
今回のGDCでも、大きく話題になったSGベンチャーがファンドから多額の資金を得て、いち早く参入したにも関わらず、2年で倒産してしまったケースの発表もありました。
アメリカの企業にとっても甘い市場ではありません。


考え方をもっと変える必要があります。それは、そのうち、どっかに書きます。

自分はあまりゲーム業界を俯瞰的に見れていないと自覚しているので、上記のコメントにキッチりと意見が出来ませんが、SGとiPhoneプラットフォームの今後がどうなっていくのか、新さんが書かれる記事に期待したいと思います。

>新さんへ

重ね重ねにはなりますが、コメントありがとうございました!今後もご活躍期待しております。